「隣の部屋にドナーがいるから見ないか」。医者がカーテンをめくると、そこには両手足の腱を切断された21歳の若者が横たわっていた。15年前、中国の首都・北京の武装警察総病院での出来事だ。
思わぬきっかけで闇の臓器移植の現場に立ち会ったのは「猫組長」こと菅原潮氏。山口組系暴力団の元組長で、現在は経済評論家として活動している。
中国では2000年代から臓器移植の件数が急増し、その数は年間6万件とも10万件とも言われている。年間数千人とされる死刑囚では到底賄いきれない。カナダのデービッド・マタス弁護士らは、法輪功学習者やウイグル人が「生きた臓器バンク」として、需要に応じて臓器を摘出されていると指摘する。
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